【PCR検査を受けた⑥】

防護服のような服を着た女性が近づいてきた。

車の窓を開けて、問診票書きましたと渡すと、

「どうされました?濃厚接触ですよね?」と

いきなり断定的。

 

おそらく、体調側すそうに見えなかった(実際悪くない)から

最初からそういう判断で聞いてきたのだろう。

違います、出張先で高温が1回だけ出たので、念のため来た

という旨を伝えた。

 

すると「問診いらないですよね?」と言われ、

可能ならしたいなと思ったが、周囲を見渡すと

自分の問診はまだかとうなだれている人であふれかえっている。

 

この状態で私が受けるのは、忍びないし、

あまりこの場所に長時間いない方がいいなと正直思った。

 

したほうがいいですかね?と念のため聞くと、

「要りますか?」と返ってきたので、雰囲気に押されて不要ですと伝えた。

 

保険証を見せて、コピーを取ってもらい、

渡された注意書きの様なものをもらって読む事15分。

また同じ防護服の女性が近づいてきて、窓を開けると

ドア越しに、綿棒を鼻に突っ込まれて、終了。

本当にドライブスルーの様に車の中で完結した。

 

私は、6時~12時での検査組なので、

21時までに連絡がなければ「陰性」という判断になる。

 

20時を過ぎ、何となく不安で酒も飲める気分じゃなく、

家で子供と戯れながら気持ちはソワソワしていた。

 

「連絡がないことを待つ」というのはオペレーション上

しょうがないんだと思うが、なかなか不安を掻き立てられる。

 

21時、無事連絡がなかった。

一旦陰性と判断していいようだ。

 

すかさず、関係者には連絡を入れた。

皆さんイイ人で、すぐに「良かったです」と返信があり

私も久々に安堵感を持てた。

 

ウィルス扱いされて経った数日間、実際には1日くらいだが

あんなに厳しいものだと思わなかった。

医療従事者には改めて敬意を払うと同時に、

対岸の火事にいる心ない人間の一言がこういった

本当の鉄火場にいる素晴らしい人たちの貢献を犠牲に

変えてしまうんだなと感じた数日間だった。

 

ウィルス扱いされて思った事、

というのも書いてみてもいいかもしれない。